最奥列の三番目

誰よりも幸せになる

お気持ち表明したいだけ

          
個人的な所感です。 
「劇団員の推し」に関しての思い出話。 

 

 

勝手に思っているだけだから、推しが本当はどう思って何を考えていたのかはわかりません。

私は私が見て受け取ったものがすべてだし、それをもとに書いています。推し、ごめんね

 

 

 








           
           

好きな人が所属劇団を辞めました。 
報せがあったのは2019.05.31。その日付での退団でした。 
同時期に退団を発表したのは6名。劇団主力俳優の9割でした。 


私は昔、その劇団が苦手でした。 
もうきっかけなんて忘れちゃったんですけど、リーダーが原因だったことは確かでした。怖かったのかな。 
だから気になる俳優さんがいたにも関わらず、劇団の関わるものに行くことはほぼありませんでした。 
推しは2013年の12月に劇団に入団しました。 
私が彼のことをきちんと認識したのは2016年2月。腹を括って初めて劇団のイベントに行ったのは2017年7月。 
思っていた以上に楽しくて、思っていた以上に怖くないって思った記憶があります。 

2017年8月、夏の本公演。紀伊國屋サザンシアター。 
その年の演目は、「応援」をテーマにしたものでした。 
推しは役柄的にはとってもしんどくて、見せ場のシーンで客は笑うし(笑うところじゃないよ!) 
本当に本当にしんどかったし初見の最中私の応援は無駄なのかな、なんて思ったんですけど、 
テーマ曲は好きだし応援のシーンは鼓舞されるしなにより楽しかったんですよね。新規だから。 
あと夏のサザンシアターが明るくて好きなのもある。便利だし。 
この時に全員集合のお芝居を観られてよかったなあって思います。その中で推しが良い役を演じられていたことも。 

2017年10月5日。忘れもしない、木曜日。 
「明日から新しい企画始まります!毎週金曜日21時、原宿のスタジオで公開生放送です!」と告知がありました。 
それは劇団の若い子たちだけでやる新しい番組でした。その中に当然のようにいる推し。 
もうオタクはてんやわんや。観覧のため月額1000円を支払い、出演者を確認し、スタジオを調べ、 
完全野外なんだ、傘をさせないんだ…と分かったところで明日の天気予報を見ると雨。しかも大雨。 
それでも記念すべき初回だし、初回動員は今後の指標になるだろうし、なにより推しの演技を生で観たいし(強欲)。 
翌金曜日、やっぱり大雨の中原宿へ向かいました。子供の頃ぶりに合羽を買いました。 
あの日ほど厳しい環境の観覧は無かったけれど、2018年7月まで雨の日も風の日も雪の日も毎週毎週原宿に通いました。 
恵比寿での企画公演は嬉しかったなあ。役柄が本当に好きで、公演期間中の特別生放送も公演も最前で観られたことがとってもしあわせでした。 

2018年夏。CBGKシブゲキ。夏の本公演。 
依存症のおはなし。推しが演じたのは、「コンビニアルバイト依存症」。端的に言えば仕事依存ですね。 
そこに無いはずのものが見えて、どこでも仕事しちゃう。レジも、陳列も、なにもかも。 
全体的にコメディでとっても楽しく通えたことを覚えています。曲もコンビニ拳法も楽しかったです。 
最後のシーンで、自分たちを囲っていた檻を払い光を背にして歩く演者がとっても格好良かったことを覚えています。 

2018年秋。 
推しの参加しているアイドル系コンテンツの区切りである武道館公演の翌週。 
ま~~~~~~~~~~~~さか武道館の直後に過去の上演作品の上映会やるなんて思わないじゃないですか、 
しかもアイドルもので複数回来るオタクを馬鹿にする描写があるものをやると思わないじゃないですか。 
しんどい!!!!わたしは当時通っていなかったので好きになった頃に円盤を買って見ていた程度なんですが 
円盤ですらしんどくて棚にしまいこんでいたのに!!上映会なんて!!!バカ!!!!! 
いや本人登壇あるので行ったんですけど…それすらもしんどかったですね… 
ちなみに本人は武道館後に風邪引いたことも次作の共演者にバラされているので…ほんと休んでくれ…… 

2018年冬。シブゲキ。冬の本公演。 
内容がめちゃくちゃ重くて、推しの役がめちゃくちゃしんどくて、日に日に衰弱していく同担の顔を見て 
元気出して…とは………思わなかったけど同情はした。高校教師に孕まされる女子高生の役て。舞台上で出産て。 
私はというと救われない話は嫌いじゃないし女装は大好きなので全然いけるな、って思ったんですけど 
それでも何度も何度も観るのは無理だしなにより推しのカテコの顔が虚無だった。 
たぶん最後の出産のシーンでパワー使い切るんだろうなあって感じで、毎回カテコは客席を隅から隅まで見ている推しが 
それすらできないほと疲れきって虚空を見つめていたのがなによりキツかったです。いや全力なのはいいことなんだけど。 
公演期間中の手売りチケットもハケてなくて、一番オタク持ってるはずの推しが毎日手売りに立っても誰も並ばなくて 
私も行ける日は揃えてあったしマイナス抱えられるほどお金に余裕無かったので、観劇してどうしても感想を伝えたくなった日以外は推しを尻目に帰ったりしていました。 
と同時に、劇団危ないんじゃないかなあって思っていたのが色濃さを増していく気がしていました。 
劇団は赤字になったら即解散と何度も言われていたからです。まあでも実際のところすでに赤字抱えてる気もしないでもない。 


私が推しを通じて関わった劇団のことなんてそれぐらいで、 
木曜日のラジオ観覧なんかは行かなかったのでほかのオタクよりはまだまだだったんだろうけど。 
実はずっと劇団辞めてくれ~~って思ってました。 

たとえばインターネット生配信の番組。 
基本的に空気は入団順で、一番最後に入った人が一番下。まあそれはわかる。 
推しはほぼ発言しなくて、三角座りして埋もれてるか、後方に立って見えないかのどちらか。 
表情もあまり良くない時が多くて、無理してるなら休んでって何度思ったか分かりません。 
まあにこにこしなきゃいけない決まりも無いんですけど。 

たとえば普段の発言。 
推しは「昔自分の高い声がコンプレックスだった」って言っていたんですけど、 
それをなおのこと弄るかというところで。ずっと引っ張っている姿に小学生かと思ったこともしばしばありました。 



それでも劇団に入ってくれてよかったって思うこともありました。 
退団発表から遡ること一ヶ月ほど前、劇団の先輩のラジオに一人で呼ばれました。 
先輩はとても優しく、その先輩ならではの個を否定しないゆったりとした空気感で、 
推しは私が聞いてきた今までのラジオのなかでも、一番穏やかにお話されているようでした。 
そのラジオはとてもあたたかく、心がほっこりしたことを覚えています。本当にありがとうございました。 

あと役柄。 
オタクから不評だった冬の女子高生も、原宿で毎週色んな役を演じたことも、恵比寿の舞台のホスト役も、 
コンビニ依存症の役も、影の薄い応援団員の役も。 
特に女子高生役は推しに聞き取りの末キャラクターが作られたと聞いています。 
劇団でなければきっと観ることができなかった役を演じる推しを観られたこと、幸せでした。 



正直劇団にいる意味ってある?って何度も何度も思いました。 
劇団のことは好きです。良い先輩が沢山いることも知っています。 
でも推しはどんどん外部に出ていて、伸び盛りで、どんどん力をつけていて。 
大舞台に出ていて、共演すれば良い影響を受けるであろう劇団の先輩方は劇団本公演に出ないし。 
年齢も若いから、若いうちに、若いと言われているうちに、沢山の人と出会って、 
沢山観て学んで、沢山吸収して、沢山失敗してほしい。 
短い時間をどうか有意義に過ごしてほしい。劇団にいることは、正直そのロスになっていると思っていました。 
だから24歳で決断してくれて本当によかったと思っています。 
いままで劇団の夏と冬の本公演をどれだけ優先していたかは分からないけれど、少なくとも今後はそれも無くなるので。 

楽しいことも、嬉しいことも、つらいことも、しんどいことも、沢山ありました。 
それを教えてくれた「劇団員の推し」には感謝しかありません。 




どうかこの決断が間違っていなかったと心から思える日が来ますように。 
退団おめでとうございます。お疲れ様でした。